体操W杯東京大会、男子は白井、女子は村上が優勝!

体操W杯東京大会は、男子は白井健三選手(日本体育大学)が、女子は村上茉愛選手(日本体育大学)が優勝しました!そして、2018年シリーズの国別ポイントでも日本は男子が1位、女子が2位となりました。日本は2014年の東京大会以来の男女アベック優勝となりました。

大会レポート

体操ワールドカップ東京大会2018男子レポート
体操ワールドカップ東京大会2018女子レポート


大会結果

男子結果
女子結果

元世界チャンピオンインタビュー・・・Chellsie Memmel チェルシー・メメルさん

~チェルシー・メメルさんの紹介~
2003年 アナハイム世界選手権 個人総合・団体・種目別段違い平行棒 金メダル
※2004年アテネオリンピックで10点満点廃止、2005年より点数上限なしのルールへ変更
2005年 メルボルン世界選手権 種目別段違い平行棒・平均台 銀メダル
2006年 オーフス世界選手権 団体 銀メダル 
2008年 北京オリンピック 団体 銀メダル

とてもパワフルな選手でゆかでのダイナミックなタンブリングや、段違い平行棒でのヒンドルフ、トカチェフ等の豪快な手離し技に加え、アドラーからの前方2回宙返り下りがトレードマーク。平均台でも盛りだくさんの構成ながら、抜群の安定感が印象的な選手。
北京オリンピックの後、2011年に世界選手権の代表へカムバックを試みたが、代表選考会中に肩を脱臼し離脱。手術。2012年に2度目の手術をして再起を狙うもロンドンオリンピック代表に届かず。その年に引退を表明。
ゆかでの足持ち2回ターンは「メメル」という彼女の名前が付いている。

Q. 引退後、今どのようにしてお過ごしですか?

A. 両親が経営する体操クラブで指導をしながら、審判業もしています。とても良い形で競技に携わることができていて、特に、このような高いレベルでの審判業務は楽しませてもらっています。

Q. オリンピックや数々の世界選手権の経験されてきましたが、今のルールに対して、ご自分が現役の頃のルールを比べて、どのような印象や考えを持っていますか?

A. 私は10点満点のルールで世界選手権に出場し、そこから現在の上限なしの採点に移行する時期を現役選手として過ごしました。このルールはまだまだ変化し続けていますし、発展途上だと思います。難しい大きな技を追いかけつつ、かつ、それを美しく実施しなければならない… そのバランスをとるのが難しいですね。

Q. 近年では芸術性に対してルールが厳しくなってきていますがそれについてはどう思いますか?

A. 芸術性の部分をプッシュしていく事は良い事だと思います。数年前にゆかの表現力等に対して一気に厳しくなり、選手たちもだいぶそれに慣れてきたところで次は平均台。ただただ技の前後にステップを踏むだけでなく、もっと振り(踊り)を入れて流れるような演技に仕上げていかなければなりません。やっていけば選手たちも慣れていくでしょう。

Q. 2020年の東京オリンピックに向けて、どんな事を期待していますか?

A. 東京オリンピックはたぶん家で見ることになると思うんですけど(笑)、ぜひ皆さんに東京に来て観てほしいなと思います。今回、私自身日本に来るのは3回目で、東京は2回目なのですが、毎回、毎試合、試合の運営もスムーズでやりやすいし、日本の皆さんはいつもとても温かく迎えてくださるので、ありがたく思っています。なので、日本の皆さんはオリンピックも絶対にしっかり成功させてくれると思っています。

中国オリンピアンインタビュー・・・范斌、鄒凱、和雪梅

ワールドカップには各国コーチ、審判として元五輪選手も参加しており、今回はその中でも、日本以外で多くの懐かしい顔ぶれが見られた中国元五輪代表である范斌さん(96年アトランタ五輪団体銀メダル、鉄棒銅メダル、今はカナダのコーチ)、鄒凱さん(2008年北京五輪団体、ゆか、鉄棒金メダル、2012年ロンドン五輪団体、ゆか金メダル、鉄棒銅メダル、今回は中立審判として参加)にインタビューをしました。通訳は92年バルセロナ五輪で団体4位のメンバーであった和雪梅さん(現姓:高堰)です。

Q. 引退後はどのようなことをされてきましたか?

鄒凱:引退後、一時期は体操界を離れていましたが、今は審判しながら若い選手を育てています。

范斌:私は引退してからかなり経ちますが、カナダに渡って15年間体操を教えています。(カナダには)引退後、友達の紹介で行きました。

Q. もし、今の時代に選手であったら、どのような位置にいると思いますか?

鄒凱:私はスペシャリストなので、今大会のような個人総合の試合は難しかったと思います。そういえば、この体育館に来たら現役のときを思い出します。2011年の世界選手権もこの体育館で行われましたし、先輩たちも80年代にここで試合をしたということなので、とても思い出深い体育館です。

范斌:自分の場合は引退してかなり経ちますし・・・当時の中国は強かったものの、今は今ということで、それについては何とも言えませんね。ちなみに、私は日本に来たのは95年の世界選手権(鯖江)が最後でした。

Q. 五輪の団体戦が5名から4名になり、団体戦ではオールラウンダーとしての力が重要になっています。スペシャリストとオールラウンダーの組み合わせについてどのように考えてますか?

鄒凱:今の試合方式では団体に必要な選手はオールラウンダー2名、スペシャリスト2名の組み合わせがベストではないかと思います。

范斌:確かに鄒さんの言う通りですが、国によって事情は異なるので、団体中心に考える国は雛さんの言う通りで、団体が強くない国は種目別狙いで来ると思います。

Q. 中国は4年前と比べて代表の選考方法が異なっていますか?

鄒凱:今はナショナルチームを離れて、地方の担当をしているので具体的なことはわからないです。

Q. カナダはリオ五輪の団体出場を逃しましたが、戦略の変更などはありますか?

范斌:できれば団体で出場したいと願っていますが、今の状態では難しいと考えています。ルールの点でも難しいです。また、選手育成においても、子供たち世代も変わってきて選手を長く続けてくれるのが難しくなっているので、強い選手が不足しています。その点で前回団体出場した2008年よりは厳しい状態です。レベルが少し落ちた感じです。

Q. 現在の採点規則についてご意見をお聞かせください。

范斌:今のルールはトップの選手しか向いてないルールで、トップの選手にはいいかもしれないけど、他の選手にとってはずっとこのような場所に立てないままになるので、FIGもその点はもう少し考える必要があるのではないでしょうか。

Q. 東京五輪はどのような大会になってほしいですか?

鄒凱:日本と中国は男子体操で長年ずっといい勝負をしてきたので、中国チームとしては東京五輪でも素晴らしい勝負を皆さんに見せたいです。

范斌:カナダにとっては頑張って出場権を獲得して、日本に来るだけです。

Q. 日本の体操についてどのような印象をお持ちですか?

鄒凱:日本チームはとても美しい演技をするので、今大会も楽しみにしています。

范斌:日本は美しい体操をして、技も高いレベルと感じています。中国ももちろん同じです。日本と中国には強いチーム同士の争いを見せてほしいと期待していますし、カナダはこの両国からたくさんのことを学び取ってほしいと思います。

Q. 年齢は離れていますが、お二人はお互いのことをよく知ってましたか?

范斌:テレビでよく見てました(笑)

鄒凱:先輩ですし、中国のナショナル体育館で中国の歴代世界チャンピオンの画像を飾っているので、范斌さんの存在もとても刺激になっていました。

Q. ちなみに高堰さんのことは?

范斌:同じ時代の選手で、92年から95年まで一緒に練習していたのでよく知っています(笑)

鄒凱:(和さんに向かって)2006年の大会に一緒に出ましたよね?インドで行われた大会で・・・(和さんはインドで行われた2006年アジア選手権では日本代表で出場。しかし、鄒さんのことは覚えていなかったようでとても驚いていました)

最後は思わぬところで接点があったことが分かった三名の方々でした。ご協力ありがとうございました!

Samuel Mikulak選手(アメリカ)ポディウム練習後インタビュー

 

Q. 現在の調子と今大会の目標は?

A. ここ数年アップダウンが激しかったのですが、今現在身体の調子はとても良いです。昨年アキレス腱を切ってから復帰するのにも結構時間がかかりましたが、あまり難しくなく、安全で自信をもってできる構成でもう一度国際大会で試合ができるようになるまでもってきました。今大会の目標は、まず、アリーナに出て、良い試合をすること。そして、一生懸命努力してきた成果をしっかりとみんなに披露しつつ、6種目試合をやり切る体力や感覚を戻すことです。とにかく、試合をきちんとやり切ることをしたいです。

 

Q. 試合に出ることが楽しみという感じですか?

A. その通りです。どんな努力や苦労が背景にあったとしても、これ(試合に出る事)が一番楽しいところですし、その努力をもって(試合を)楽しみたいです。以前にも大きな国際試合に出てからかなり時間が空いたことがあったので、国際大会、しかも個人総合の舞台に帰っこれたことがとても嬉しいです。

 

Q. 日本に来るのは初めてですか?

A. 合宿で来た事はあるけど、試合をしに来るのは初めてです。

 

Q. 日本の選手で好きな選手はいますか?

A. もちろん、間違いなく(内村)コウヘイです!ここに来る前、数日間ナショナルトレーニングセンターで彼と一緒に練習をすることが出来たのですが、彼が全日本選手権に向けて調整している姿を見ながら練習できて嬉しかったです。

 

Q. セノーの器具がとても好きだと噂で聞いたのですが…

A. 大好きです!(笑)すごく相性がよくて、ナショナルトレーニングセンターでの練習でもすぐ慣れることができました。

 

Q. もし、このあと1週間のお休みがもらえるとしたら、東京で何がしたいですか?行ってみたい所はありますか?

A. (少し笑みを浮かべながら)、僕は食べることが好きなので、とにかく街中のおいしそうなレストランに行ってみたいですね。そして魚を食べたい!今はまだ健康的な食事をしなければならないので無理ですけど…。ちょっとその辺を見ているだけでおいしそうなレストランが沢山あるので、とにかく色んな所に飛び込んで色んなものを食べてみたいです。あとは、僕はアニメが好きで、特に最近ジブリ映画を見たので、最近オープンするというのをどこかで見た(おそらくジブリの大博覧会?)ジブリアニメのイベントに行きたいです! 


Q. ちなみに、最近見たジブリアニメは?

A. The Spirited Away!(千と千尋の神隠し)すごくよかったです!僕自身はまだその一つしか見ていないのですが、僕のガールフレンドの方がすごくジブリ好きで、ジブリ作品のほとんどを制覇してます!僕もトトロもラピュタも見たいと思っています。

 

Q. 2020年、東京オリンピックですが、東京に戻ってくる予定は?

A. はい。東京オリンピック以後も自分の身体が許す限り、選手を続けたいと思っています。そう簡単にはいかないかもしれないけど、とにかく体操が大好きなので、今は離れる事は考えたくないですね。現実的には今自分はそのボーダーラインにいるのですが… でもまだまだやりたいし、止めないといけないかもと考えること自体がちょっと怖いです。自分の身体が「ストップ」と言うまでずっと続けたいです。

Elisabeth Seitz選手(ドイツ)ポディウム練習後インタビュー

Q. 現在の調子と今大会の目標は?

A. アメリカとドイツのワールドカップに参加してきて、今シーズン3回目のワールドカップなので、今までの好調をキープして良い試合をしたいです。また、この体育館は相性が良いので(2011年の世界選手権で彼女を含むドイツチームが団体6位に入賞)、きっと良い結果を出せると思います。

 

Q. 2011年の世界選手権で日本に来られていますが、日本の体操ファンについてどんな印象を持っていますか?

A. 今まで通算7回かな…世界選手権に出たと「思う」んですけど(笑)、2011年の世界選手権は自分にとって一番素敵な試合でした。大会の運営や環境もそうだし、ファンの人たちもみんな親切で明るくて、一生懸命応援してくれたので、その一体感にとても感動しました。

 

Q. 以前東京に来られた時に観光はしましたか?

A. はい。東京タワーや繁華街には少し行きましたが、あまり時間がとれなかったのですが、大都会なのに、ふと路地に入っても安全できれいだなぁと思いました。

 

Q. もしこのあと1週間お休みがあるとしたら、日本でどこか行きたいところやしたい事はありますか?

A. 2011年に行った所に思い出を振り返りながらもう一度ゆっくりとその景色を見たいです。それと、まだ見ていないところもたくさんあるので、色んな所へ行ってみたいです。

Q. 2020年にまた東京に戻ってくる予定はありますか?

A. (笑)もちろんです!

 

Q. 2020年のオリンピックに向けて、日本のファンへ一言お願いします。

A. とにかく沢山の観客の方に来て頂いて、みんなで体操を応援してほしいし、皆さんの力でオリンピック全体を盛り上げてほしいです。

Artur Dalaloyan 選手(ロシア)ポディウム練習後インタビュー

2017年ヨーロッパ選手権個人総合でVERNIAIEV選手(ウクライナ)に次いで2位に入り、跳馬も優勝している選手。

Q. 現在の調子と今大会の目標は?

A. 今調子としては50%ぐらいです。新しく習得した技を構成に入れて試す事が今回の試合の目的です。

 

Q. 日本の選手で好きな選手は?

A. もちろん、内村選手!キング!(笑)

 

Q. 東京に来たのは今回が初めて?

A. 東京は初めてですが、国際ジュニアで横浜に来たことがあります。

 

Q. もし、この試合の後1週間お休みがあるとしたら、東京、日本で何をしたいですか?

A. 東京の名所は良く知らないですけど、東京が第二のニューヨークだということは知っているので、大都会の摩天楼をゆっくり眺めたり、沢山ショッピングをしてみたいですね。あとは、太平洋の沿岸を散歩したりしてみたいです。

 

Q. 国際ジュニアで一度日本に来たことがあるということですが、日本の体操ファンについてどういう印象をお持ちですか?

A. スーパー!(笑)日本のファンほど温かい声援をくれる人はいないと思っています。日本の子供達は僕のサインを狙って、試合が終わった後に大勢で僕の周りを囲みに来ました。(笑)

 

Q. 日本のファンへメッセージを下さい。

A. 僕のことを応援して下さい。美しく、内村選手よりもいい体操ができるように頑張ります!(笑)